いつも同じ内容の話を繰り返すMくん。そして煮え切らないワタシ。
Mくんはある意味中学生女子のようなとこがあるので、きっと「任せときなよ、Mくん!!ワタシがCに気持ちを聞いてあげるよ~!」というセリフを期待していたのだろう…。でもゴメン、Mくん。Cの気持ちはとっくに聞いてしまっているんだ…。CはMくんのこと、全くの問題外、それどころかMくんが異動になればいいとすら言ってるんだよ…。
煮え切らないワタシに愛想をつかしたのか、その後Mくんからの電話の頻度は少なくなっていった。
MくんがCを好きになってから3ヶ月くらいが経ったと思う。久しぶりにMくんから電話がきた。大事な話があるから、MくんとMくんの友達、Cとワタシでご飯を食べようと言われた。……ジョナサンで。
約束の日、ジョナサンに行ったら、MくんとMくんの友達はもう来ていた。Cは仕事が終わったら来ると言っていた。
「今日、大事な話って何?」
「いやー、今日は記念すべき日になるよ。」
「記念すべき日?ついに諦めた?」
「ん?何を?」
「何ってCのこと諦めたの?」
「何言ってんだよ、Cとは今すっごいいい感じなんだよ。今日はついに告白するつもりでさー。みんなでご飯食べて、帰りにCを送っていくつもりだから、2人になったら告白するよー(満面の笑み)。」
倒れそうになった。告白したって玉砕するのは火を見るより明白だ。
「……いやー、それはやめといたほうがいいんじゃない?CはMくんと付き合う気ないんだよ。」
「えっ…?!」
Mくんはジョナサンで大好物のシーフードカレーを注文していたのだが、スプーンを持つ手が震え出した。
「CはMくんとは付き合えないって。今までMくんの電話で何度も(少なくとも30回は)やめたほうがいいんじゃないって言ったじゃん。告白しても気まずくなるだけだと思う。」
すると、Mくんの友達が…。
「なんやお前、言ってることとちゃうやん。オレ、こいつが『あと一息で付き合えそうなんだ、でもシャイな子だから、お前援護射撃してくれ』って言うから、新幹線で東京まで来て…。全部お前の勘違いやんか。」
「…………」
「ほんなら、コイツ、全く見込みなしなんやなぁ?」
「そうですね、残念ながら…。」
「…………………」
その後、Mくんのシーフードカレーは残されたままだった。あまりのショックで大好物のカレーも喉をとおらなくなってしまったらしい。
それにしてもなぜ?あれだけやんわりとCはMくんに気がないということを伝えていたのに…。その情報がいつの間にか180度転換して、CとMくんは付き合う寸前って…?どういう思考回路だ??
30分ほどして、Cがやって来た。MくんはCをにらみつけると「先帰る」とだけ言い残して去って行った。その態度にCはマジ切れして、「やっぱ子供っぽい。最悪~!!」と文句を言っていた。そりゃCにしてみれば、残業したうえに、急いでMくんの呼び出しに応じて駆けつけてみたら当のMくんはすぐ帰ってしまうし、何で?という思いだけがつのっていただろう。
つづく
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