MくんはまだCを好きになってから2日くらいしか経っていないにも関わらず、あまりのせつなさから泣いてしまったそうだ。何がそんなにせつないのか、なぜそこまで酔えるのか不思議だったが、それは口に出さないでおいた。
ワタシはMくんの要請にしたがい、Cとの仲をとりもつ協力をする約束をして電話を切った(そうしなければきっと朝まで彼の恋バナを聞くはめになったろう)。
数日後、Cと会う機会があったので、さりげなくMくんのことを切り出してみた。
「この前のカラオケ、楽しかったねー。CとMくんてばすごい趣味がピッタリだったね。案外付き合ったらうまくいくんじゃないの?」
「イヤー!!かんべんしてよ、あたしにも選ぶ権利あるでしょ~?」
あれっ?Cは全然その気ナシ…?
「なんで?Mくん、ちょい熱いけど、真面目そうだしそんな悪い人じゃないんでないの?」
「うーん、あの人さぁ、生徒さんにはいい人だけど、ちょっと…」
詳しく聞いてみると、Mくんは仕事ではちょっとした困った人らしい。英会話スクールの本部の意向をスタッフ会議で伝えると、「なんでそんな!オレは従えない」とか、「なんでそんなことしなきゃいけないの?おかしいでしょ?」などと、本部の意向=Cの意見と思っているのか、ものすごく噛み付いてきて非常に仕事がやりにくいらしい。
「なんていうか…子供っぽいんだよね。そんなに文句があるなら、「M(彼の名前)塾」でも開いてやりたいように勝手にやってよって言いたいよ。」
「外国帰りだし、日本の会社で働いたことなかったから、まだ分かんないんじゃあないの?」
「それにしたって…。ホント、一緒に仕事したくな~い!いっつも気使わなきゃいけないし、できたら関わりたくないよ。ストレスたまるぅ~!」
かわいそ…Mくん。好かれてるどこかけっこう嫌われてるじゃん。
つづく
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