Mくんは携帯を持っていなかったので、いつも電話は家電を使っていた。なので、当時ワタシの家の家電にかけてくるような人はMくんくらいだった…(みんな携帯持ってたからね)。
Mくんは、なかなか話を切り出しにくいのか、くだらない話を1時間くらいしていた。
そして、ようやく本題。
Mくんは英会話学校のスタッフのC(=ワタシの友達)を好きになったと言う。
「あ~、そうなんだ、いいじゃん。でもY子さんはどうしたの?」
Mくんはつい先週まで、生徒のY子さんのことを好きだと言っていた。Y子さんはハッキリ言ってちょっと精神を病んでる人で、そのせいなのか人を不愉快にさせるひと言が余計な人だった。
「Y子はもうどうでもいいよ…。先週、お茶に誘ってドトールに行ったんだけど、コーヒーおごってあげたのに『ありがとう』のひと言もなくてさ。みんながY子を嫌がるわけがなんだか分かった」
「ふーん…」
Y子さんは、職場で妻子ある人と付き合っていて、Y子さん自身はその男性と結婚するつもりでいたようだが、結局相手の人は最初からそんな気もなかったようで、けっこうな修羅場になってしまったそうだ。Y子さんは辛くて会社を辞め、悔しさからその男性の家に無言電話をかけたりしていたらしい。これはY子さんから聞いた話だが、この人、ものすごく精神的に不安定でちょい虚言癖もあったのでどこまで本当かは分からない。
ちょい話はズレましたが…。
「この前、みんなでカラオケ行ったとき、きらりが、『アンタたち、すっごい気が合うね。付き合っちゃえば?』って言ったろ?それでなんか気になっちゃって…」
「へぇ…」
この電話の2日ほど前、スクールの人たちとカラオケに行った。するとMくんが歌うとCは『この歌好き好き!』と言い、Cが歌うと『コレ、いい歌だよね~!!』とMくんも聞き入っていた。この2人、聞いてる歌がほとんど一緒で、とても趣味が合うと言える。なので、『アンタたち、すっごい気が合うね。付き合っちゃえば?』と冗談で言ったのだが…。
そんなささいなことで、好きになってしまうMくんの純粋さ(おめでたさか?)が面白い気がしたし、Cも天真爛漫な子だったので、「この2人うまくいくかもな…」と思ったワタシだった。
つづく
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